SusakiVeterinarian's Column
蚊にさされないのでフィラリアの薬は不要?
先日、診療中に、飼い主さんにこんな質問をされました。
「某犬の専門家から聞いたのですが、『犬は散歩中走っていたら、蚊が止まれないから、刺されないのでフィラリアの薬はいらない』と言われました。ウソですよね?」
「それ本当にそんなこと言われたのですか?聞き間違いでは?」
と申し上げましたが、この話は一人や二人から伺ったのではないので、実際にその様におっしゃっている方がいるか、そのような誤解を招くようなことをおっしゃる方がいるのかもしれません。
未だにそんなことを言う「犬の専門家」が存在するとは信じられないのですが、もし本当だとしたら、その情報発信する方にお願いです。
情報を提供する際は、細心の注意を払って下さい!
情報提供する際は、適切な情報をお願いいたします!
24時間走り続けますか?
蚊は屋外にいるだけではありません。
まして毎年の猛暑ですから、蚊も存亡をかけて、適温(?)を求めてさまよいます。
私も猛暑で蚊が少ないといわれる2018年の夏、自宅の部屋とトイレで刺されました。
ですから、「犬の専門家」のアドバイスだと、24時間走り続けなければならないことになります。
そんなこと、「いわれてみればそうですね(笑)」という話です。
このように、いっけん犬思いのアドバイスのように聞こえる話も、
「ちょっと考えたら無理がある」
のですが、視点を変えるほどの予備知識をお持ちでない飼い主さんが鵜呑みにしたら、とんでもない結末になるかもしれません。
●屋外飼育の犬では3夏過ごすとほぼ100%感染する
●高温多湿な日本では屋外飼育の犬では3夏過ごすとほぼ100%感染する
とも言われています。
屋内飼育ならリスクは少ないかもしれませんが、ゼロではないのです!
今ではフィラリア症で亡くなる犬も少ないので(フィラリア薬のおかげなのですが)、どんなことになるのかご存じない飼い主さんも少なくありません。
フィラリア症で亡くなる犬は、
【気がついたらゼーゼーと咳をする様になり、地上で溺れるように呼吸困難になって死ぬ】
のです。
もちろん、私自身が体質的にワクチンを打てないように、例外的にフィラリアの薬が合わない子もいるかもしれませんが、それは私同様「例外」で、個別対応する話です。
あなたの愛犬が先のような最期を遂げるのと、肝臓での処理を天秤にかけたら、どちらを選びますか?
どちらでもあなたの選択を尊重しますが、選択したなりの結果に繋がります。
そのことを理解した上で、一時の感情に流され、後悔しない選択をしていただきたいのです。
では、フィラリアの薬に限らず、なぜ愛犬家・愛猫家は不安や心配になるのでしょうか?
色々な意見を聴くことのメリットは、一つの意見に大きく影響を受けなくなる点があります。
色々な意見を聴くと、色々な視点ができます。
色々な視点を持てることは、色々な解釈が出来る様になります。
色々な解釈ができると、色々な選択肢が持てます。
あとは、経験に応じて、自分で選択できるようになる人もいるでしょうし、 経験豊富な専門家に「うちの犬・猫の場合はどの選択肢が有効でしょうか?」と判断を仰ぐのもいいでしょう(理由付きで)。
私に相談してきた方々も、ペットアカデミーで「いろいろな視点をもつことの重要性」を学んでいるので、「こんな話があったんですけど、違いますよね?(笑)」という感じだったので安心しました。
私としては、先の「犬の専門家」が
と本当はおっしゃっていて、私のところにお越しになった飼い主さんが、カッコの中をたまたま聞きそびれたか、記憶に残っていなかったかだったと信じたいところです。
ということで、普段からいろいろな情報を入手し、ときどき信頼できる専門家に情報の取捨選択をしてもらう環境を作ることをオススメします。





