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SusakiVeterinarian's Column

空腹だと胃液を吐く

Colum No.12

【犬猫は空腹だと胃液を吐くのではない!何かが起こっているから吐くのだ】

不適切な因果関係。
何が原因でこうなったのか?
という因果関係を正確に把握することは、問題解決においてとても重要です。

例えば、
「今年の肺炎による重症者は全員非喫煙者でした。ですから肺炎にならないようタバコを吸いましょう!」
という主張が適切ではないとおわかりいただけると思います。

しかし、こんな主張が世の中では珍しくなく普通にあります。

「犬猫は空腹になると胃液を吐きます」という因果関係がデタラメな話があります。

確かに、空腹になると胃液を吐くのですが、胃液をはかないようにさせることが問題なのではなく、
空腹の刺激ごときで胃液を吐くなどというとんでもない現状
を改善することが大切なのではないでしょうか?

あまりにも、不適切な情報が広がりすぎて、ともすると犬猫が吐くと、

「空腹だからじゃない?」

などというアドバイスが横行しているような状況です。


本当に見るべきは根本原因

ちょっと考えてみればわかる話!
よく考えなくてもわかることですが、例えば、自然界で肉食獣が一週間獲物にありつけないなどという事態は普通にあります。

そんなときにチーターが、空腹だから「オェ~! オェ~!…」と吐き続けるなどということがあるでしょうか?

ちょっと考えたら「ナイ」とわかることですよね?

では、実際には何が起こっているのでしょうか?
実際には、体の中で何か根本的な問題が起こっており、そこからとばっちりのような形で、影響が及んでいるという状況です。

実際に体を調べてみると、根本原因のありかは三種類あります。

①症状のある部位に問題がある場合
②症状のある部位の周辺に問題がある場合
③症状のある部位から随分離れたところに根本原因がある場合
の三種類です。

担当獣医師が原因を探れないから原因不明という結論になる事はあっても、根本原因がない吐き気などというものは存在しません。

ですから、「空腹だと胃液を吐く」という表現は、現象面としては合っているのでしょうが、因果関係が全くおかしいのです。


症状は、身体からの大切なサイン

例えば、胃の周辺に問題があるから、身体が「食べないでくれ!休ませてくれ!」と判断して吐く場合があります。
そのときに、その因果関係を探ることもなく、

「空腹で履いているのかもしれないから、吐かせないようにしましょう!」

と食べさせてしまったらどうなるでしょうか?

症状はサインです!
もしあなたが不眠不休で働き続け、「休ませてくれ」と言っているのに、「もっと働け!」と言われたらどうでしょう?
それと同じで休ませれば元に戻るのに臓器を休ませない方向にもっていく…。
そのうち吐く力さえなくなってしまう…。

それを「吐かなくなったから治った!」と誤解してしまったらどうでしょう?

急性膵炎になってもおかしくないですよね。
このように症状はサインなのです。


症状だけでなく原因量を見る

症状を抑えて自然治癒力で治すのが対症療法。
症状を消すことを悪のようにいう人がいますが、そんなことはありません。

「症状を消して自然治癒力で治す」
という方式が西洋医学です。

しかし、状況によっては、症状を消しつつ同時進行で原因も減らしておかないと慢性化することもあります。

また、体内状況を正確に把握出来ないと

「体質ですね!」

などという言葉で片付けられてしまったりします。

原因が減ったから症状が消えていることを確認してもらう!
ですから、症状を消す対処はアリなのですが、同時に根本原因がきちんと減っているのかどうかも確認してもらう必要があります。

そうでないと、症状だけを見てしまうと、「白い犬は震える」とか「肉を食べすぎると腎臓病になる」とか、「水を飲むと水毒になる」、などというような一見もっともそうで、とんでもない情報を信じてしまうことになりかねません。

物事には必ず原因があります。

症状は悪いものではなく「不快だが必要かつ正常な免疫応答の結果」です。

ですから、症状があるということは、身体がおかしいのではなく、原因量がおかしいのです。

ということは、「その原因は一体どこに何がどれくらいあるのか?」ということを調べることも重要です。

症状だけを消そうと思っても消えないから「体質だ」、「遺伝だ」などという言葉で片付けられ、不適切な対処をされないように、我々も賢く生きていきたいものです。


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