SusakiVeterinarian's Column
努力が空回りする飼い主さんが高めるべきなのは問題解決力
私を含む獣医師の仕事のひとつが、病気になった動物の健康を取り戻すことにあります。
その際獣医師ができる事は実は限られていて、方針を決めること、軌道修正することは獣医師の仕事ですが、日々のケアは飼い主さんにやっていただくしかありません。
このような現実から、飼い主さんの「理解に基づく日常のケア」がとても重要となってきます。
普段診療で接していると、飼い主さんがどれだけ理解しているかが、犬猫の治癒に最も大きく影響及ぼすなと感じております。
ですから、須崎動物病院では、「飼い主さんの『知的スタミナ』がとても重要ですよ」と診療の際に申し伝えております。
診療で初診の方をお迎えする時のことです。
初診の飼い主さんの特徴は、昔も今も変わらず「沢山の質問を紙に書いて持参する」です。
ただ、以前と違うと感じるのが、「質問の内容」です。
以前は、本質的な質問の割合が多く、本質的でない質問に関しては「確認なのですが…」と尋ねられていました。
しかし、ここ最近は、質問内容がほぼ本質的に重要では無いことが多いのです。
ですから「普段からこの方は、本質的なことを考えずに、目先のこと・気になったことだけを疑問に思いそれを解決しようと考え、行動してこられたのだろうな…パッチワークのようにつぎはぎつぎはぎしていけば、どこかで問題が解決するだろうという誤解をしてこられたんだろうな…だからこじれたんだろうな…」と感じることが多々あります。
そしてこれは1人2人の話ではなく、新規で来る方の大半がこのような状態なのです。
脳は質問に応えます。
ですから、何を質問するかで、思考・行動が変わり、得られる結果も変わります。
このようなことから、「質問の質は人生の質」と言われます。
しかし、知らない事は質問もできません。なぜならば存在自体を知らないからです。
飼い主さんの問題解決能力を高めるためには、選択肢が豊富にあることが重要です。
その選択肢を豊富に持つためには、視点を多く持つ必要があります。
視点を多く持てるという事は、「自分の立ち位置がどこにあるのか?」「この問題の本質は一体どこにあるのか?」を自分で導き出せることになります。
しかし、予備知識があまりなく、視点も多く持てず、その結果選択肢も豊富に持てない、結果有効な手段を取れないために、問題解決もできないからトータルとして問題解決力が低い状態になってしまう飼い主さんはとても多いのです。
そして、本質的な解決を普段からやる習慣がないために、「取り組みやすいこと」から取り組み、当然のことながら結果は出ず、時間の経過とともに問題がこじれてしまい、自力ではもはや問題が解決できない状況になってから大慌てする…という日常を送っている方が少なくない現実を目の当たりにし、これは解決すべき事ではないだろうか…と強く思う様になりました。
ここで、聡明なあなたは、「では、どうしたら効果的な質問をできるようになれるのでしょうか?」と思われたでしょう。
まず先ほども申し上げましたが、知らないことは質問もできません。
ですから仮に本を読んだとしても、頭の中に予備知識がなければ、はじめてのことばかりで、ただただそこに書いてあることの影響をひたすら受け続けるだけになってしまいます。
比較する情報がないので、そこに書いてあることが全て正しいという思い込みが生じてしまいがちです。
しかし、たくさんの本を読むことによって、いろいろな視点ができるため、そうでない視点も持てるようになってきます。
そういう習慣があるならば安全なのですが、飼い主さんも日々忙しいため、せっかく時間をかけて読んだ本や読んだサイトの記事をとても大切にしがちで、その結果それがとんでもない思い込みの元になったりすることがほとんどです。
そうならないためには、「適切な情報を学ぼう!」と意識することが重要です。
では、適切な情報とは一体どんな情報でしょうか?
それは理論的に正しい情報ではなく、結果を出す情報です。
そして、やっかいなのが、「結果を出す情報」は、結果を出していない方には不快に感じることが多いという現実です。
なぜでしょうか?
だれがなんと言おうと、この世の中には
「過去と他人は変えられないが、自分と今は変えられる」
「私達は今得ている結果を得ることに成功している」
という原理原則があります。
ですから、私は、「解決すべき問題が生じたのは、他人や環境のせいではなく、自分のせいだ」と考えることを習慣にしています。
なぜなら、他人が絡んでくると、その人も関わってもらわないといけないから、面倒くさいことになりますよね?
「お前は足手まといになるし邪魔だからここに残れ!俺一人で行く!」
が一番楽です。
ですから、解決すべき問題が生じたら、
「ポストが赤いのも、夕陽が赤いのも、全部自分のせい!」
と考えて、欲しい結果につながるように、解釈・思考・判断・決断・行動を最適化し、望む結果につながるまで取り組みます。
それが、問題解決力が高い人の習慣なのです。
しかし、そう申し上げると…
「全部自分のせいだ!」
と受け入れることは、「だから、自分次第でどうにでもできる!」と前向きなメッセージを送っています。
大抵の方は
「なるほど!そうですね!今まではそうしてきませんでしたが、これからはそうします!」
とおっしゃるのですが、当院に来てからこじれる方のほとんどが
「私が悪いって言うんですか!?(怒)」
という反応をお取りになるのです…。
まぁ、当然のようにこじれるのですが、そんな方々を拝見してきて、確信したことがあります。
それは…
と、書きたいところですが、随分この先も長くなってしまうので、この続きはまた次回!
欲しい結果につながる様に、効果的な学びをしたい方は、
1)新しい情報を学ぶ
2)新しい情報を定着させる(復習)
3)自分の意見を確認する
のように学ぶ事をおすすめします。
とくに、3はとても重要ですが、努力が報われない方の大半が意識していないことです。
この環境をもっていることで、突然降ってわいてくるヘンな情報に惑わされずに済みます。
そんな学びの場として、ペットアカデミーをぜひご活用下さい。





